時代はスリップリングから無水銀コネクターへ

静止体から回転体に対して電力や電気信号を伝達することのできる回転接続用コネクターは、フープめっき装置、半導体製造装置、ヒーターロール、風力発電機など数多くの産業機械に用いられています。

回転接続用コネクターは、「スリップリング」や「ロータリーコネクター」「エレクトリカルスイベルジョイント」などの名称で呼ばれており、製品によって給電のメカニズムが異なります。

スリップリングとロータリーコネクターの違い

スリップリングとは

回転接続用コネクターとして古くから用いられてきたのが、スリップリングです。スリップリングは、回転体にカーボンブラシを押し当て通電を行う、摺動式の製品です。しかし、スリップリングは上述のように摺動による通電のため、磨耗粉の発生が避けられません。、磨耗粉はノイズまはたアーク放電の発生、隣接回路との短絡の原因となるため、定期的なメンテナンスが必要であり、特に大電流の製品に関しては寿命が短くなる傾向があります。

液体金属式 (水銀式)ロータリーコネクターとは

液体金属式ロータリーコネクターは、回転軸と固定側の間隙に水銀などの液体金属を充填し、当該液体金属を介して給電する回転接続用コネクターです。この方式では通電部での摺動がなく、ノイズのない製品を達成しています。また接触抵抗が小さいため大電流をコンパクトに通電可能です。

一方でこのタイプの製品は液体金属をOリングなどで封止しているため、この部分に於いては摺動回転となるため、回転トルクが大きく、また当該封止部からの液体金属の漏洩や、隣接回路との短絡などの問題があります。また使用可能な温度範囲が狭いことや、真空環境、振動環境での使用できないなど、使用環境に制限があります。さらに製品構造上、例えば貫通穴を設けるなどの特注仕様の対応には不向きです。

【スリップリングとロータリーコネクターの比較】

スリップリング 液体金属式ロータリーコネクター ヒサワ技研式
給電構造 カーボンブラシによる摺動接触 ファイバーブによるシ摺動接触 水銀、ガリウム合金など、液体金属の充填による接触 ローラー集電子による転動式
ノイズ ×
メンテナンス 必要 不要 不要 不要
環境負荷 ×(ガリウムは○)
大電流 ×
特殊環境 ×
寿命
特注対応 ×

ロータリーコネクターのなかで、現在もっとも多く流通しているのは水銀を通電素材に用いた「水銀ロータリーコネクター」であり、世界的シェアを獲得しているのが米国メルコタック(Mercotac)社の製品です。しかし、この水銀品式ロータリーコネクターは、世界的に使用が規制されつつある水銀を使用していることから、代替製品の開発がのぞまれております。

水銀ロータリーコネクターの問題と解決法

RoHS指令や水俣条約による水銀の規制について

2006年に施行されたRoHS(ローズ)指令は、EU(ヨーロッパ連合)において電気・電子製品に含まれる6種類の物質の使用制限を規定しています。規定値を超えて含有している電気・電子製品はEU加盟国内で製造・販売できず、1,000ppmを超える水銀を含む電気・電子機器もそれに該当します。日本製品であっても、この基準に満たない電気・電子機器の販売は認められておらずヨーロッパへの輸出の妨げになるのです。

また、水銀および水銀を含む製品の製造と輸出入を規制する国際条約「水俣条約」は2013年に日本を含む世界約150ヶ国で採択され、2016年ごろには発効される予定です。このような世界情勢をふまえると、今後数年の間で水銀ロータリーコネクターに代わる製品への移行が求められます。特に製品を輸出する大手企業様においては急務の課題といえるでしょう。

無水銀ロータリーコネクターの特長

上記の水銀ロータリーコネクターの将来性や問題点を考慮し、近年開発されているのが水銀を使用しない「無水銀ロータリーコネクター」です。

ヒサワ技研では、独自技術によって無水銀ロータリーコネクターを開発・製造しています。従来のスリップリングや液体金属を使用したものとは全くことなる構造であり、従来製品では不可能であった使用環境にも対応する可能性を秘めた製品です。

  • 摩耗粉の発生小
  • 水銀タイプでかかる廃棄コスト・手間なし
  • 微小信号でも給電可能
  • 水銀未不使用
  • 大電流にも対応
  • ノイズを低減
  • コンパクト設計
  • 低接触抵抗
  • 低回転トルク
  • カスタム設計可能